新型コロナウイルスについて、連日、メディアで、大量の情報が流されています。また、感染拡大防止のため全校が休校になっています。このような状況では、身体症状や感染拡大に大人の注意が向きがちですが、子どもたちには多大なストレスが加わります。保護者の方には急な休校に伴い多大なご負担があると思いますが、保護者の方ご自身ならびに子どもへのメンタルヘルス対応について説明します。
保護者ご自身が、よい体調を維持できるように努めましょう。
保護者ご自身の心身の安定が第一です。できるだけ規則正しい生活をし、睡眠を十分にとり、食事も三食バランスよく食べ、可能な範囲の運動をこころがけましょう。子どもは、周りの大人の反応をみて、状況を判断します。周りの大人が落ち着かないと子どもも落ち着きませんが、周りの大人が落ち着いていれば子どもも落ち着きます。
正しい情報を公的なホームページなどで得るようにしましょう。
正しい知識があれば、適切に対応でき、過度な不安を防ぐことができます。
不安をあおりがちなメディアに接する時間を減らし、心配や焦りを減らしましょう。
そのようなメディアに接する時間があれば、家族との団らんや休息を持ちましょう。
家族や親せき、友人などの親しい人と話す時間をもち、孤立しないようにしましょう。
人に話を聞いてもらうことで、心配や焦りが解消することがあります。
過去に大きなストレスを感じながら乗り越えた経験を思いだしましょう。
そのような経験は、過度な心配や焦りを防ぎ、今回の状況を乗り越えるのに役立つ可能性があります。また、周囲の人とお互いにうまくいっている取組があれば、褒めあいましょう。今回の状況を乗り越えることは、将来役に立つ可能性があります。
気持ちを落ち着けるために、アルコールやタバコ、あるいは病院で処方された薬以外の薬剤に過度に頼らないようにしましょう。
我慢できないときは、カウンセラーや心療内科、精神科など専門機関に相談しましょう。
ご自身の心理的な状態を把握するように気をつけましょう。
このような状況で、ストレスを感じ、不安や怒り、時に気分が落ち込むことは自然なことです。ストレスで生じるメンタルヘルスに関連する反応には、気持ちの変化や体調の変化など様々なものがあり、日常生活に支障がでる場合もあります。このような反応が普段よりも強く出た場合は、休息をとり、必要に応じて専門機関に相談しましょう。もともと専門機関にかかっている方は、症状が悪くなる前にこまめに相談しましょう。
必要な時に、相談できる専門機関をあらかじめ調べておきましょう。
子どもが、よい体調を維持できるように努めましょう。
規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分にとり、食事も三食バランスよく食べ、可能であれば、外での運動をさせるなどをこころがけましょう。(散歩や公園で走る、縄跳びをする等で感染するリスクは低いと考えられます。)
ウイルスやその感染防止について正しい知識を、子どもにわかりやすく伝えましょう。
何が起こっているか事実を伝え、今どうなっているか説明し、感染リスクを減らすためにどうすればいいか、子どもの理解力に応じて、わかるように教えましょう。
不安をあおりがちなメディアの情報に、子どもが接する機会を減らしましょう。
家族や親せき、友人などの親しい人と話す時間をもち孤立しないようにしましょう。
コンピューターゲームや動画の視聴の時間を増やさず、家族と話をする、カードゲーム、ボードゲーム、折り紙や工作などをして過ごす時間を作りましょう。
できるだけ、親や家族がそばにいるようにしましょう。
入院などで離れる場合には電話などで定期的に連絡できるような方法を確認してください。直接会えない友人とはメールや電話で連絡を取れるようにしてあげましょう。
子どもたちのストレスに伴う心理的な反応に気をつけましょう。
このような状況では子どもたちに、以下のようなストレスに伴う心理的な反応が出る場合があります。
- 甘えたくなる・心配になる・元気が出ない
- 悲しくなる・おねしょをしてしまう・いらいらする
- 怒りっぽくなる・喧嘩が増える
子どもは大人の愛情と目を向けられることを必要とします。今まで以上に時間をかけ、接してください。子どもの訴えを聞いて、やさしく話しかけ、安心させてください。
可能なら、安全な環境で遊びやリラックスできる機会を作ってください。多くの場合、このような心理的な反応は、時間とともに改善しますが、睡眠や食欲の問題が長期間続く、行動上の問題が顕著であるなどのような場合には、保健室の先生やスクールカウンセラーなどに相談するようにしてください。
障害をもつ子どもは、障害に特有の配慮が必要になります。専門機関にかかっている方は、こまめに相談するようにしましょう。
特に、発達障害などの特性をお持ちのお子様は、急な状況の変化に適切に対応できない場合が多くあります。本人の理解力に応じて説明は時間をかけてわかりやすく行い、できれば、表やイラストなどの視覚的な説明方法も取り入れましょう。また、できるだけ安心できるように、先の見通しがもてるようにしてあげましょう。また、感覚過敏をもつ方も多いので、自分のペースで静かに過ごせる場所や時間を作りましょう。このような取組は、発達障害を持たないお子さまにも有効です。