有病率は6.7%であり、15人に一人が生涯に一度は『うつ病』にかかる可能性があると言われており、だれにでもかかりうる身近な病気、common disease(ありふれた病気)です。
患者数は近年、増加しており、およそ73万人にのぼると報告されています。
『うつ病』は、脳内の神経伝達物質の働きの不調など、脳の機能に何らかの問題が起きて発症すると考えられています。 ですから、『うつ病』は気力で解決できるものではなく、治療が必要な病気なのです。
症状は、「心の症状」だけでなく、多様な「体の症状」が現れます。
抑うつ気分(気分が沈むこと) | |
不安・焦り | |
興味または喜びの喪失 | |
意欲の低下・おっくう感 | |
消えてしまいたい | |
自分を責める | |
以前より忘れっぽくなった | |
会話や本などの内容が頭に入ってこないなど |
ねむれない、眠りが浅い、よく目が覚めるなど | |
食欲がない | |
疲れやすい、だるい | |
動悸がする | |
息苦しい | |
口が渇く | |
体が重い | |
体が痛いなど |
その結果、例えば、以前にくらべて、会社や学校に行けない、職場には何とか行けるが仕事がうまくこなせない、当たり前にできていた家事がこなせない、趣味やレジャーをしたいと思わない、人付き合いが億劫になる…といった困りごとが目立ち始めます。
だれでも、嫌なことや悲しいことがあると、気分が落ち込んだり、やる気が無くなってしまうことがあります。しかし、『うつ病』は、日常で感じる一時的な気分の落ち込みなどではありません。
言葉では表現しようがないほど辛い沈んだ気持ちや興味・喜びの喪失が、ほとんど一日中、ほぼ毎日、2週間以上続き、仕事や日常生活で支障が出てきてしまう場合は『うつ病』の可能性が高くなります。そういう時は精神科などの専門家に相談しましょう。
当院では、認知行動療法及び抗うつ薬などの薬物療法で治療を行い、早期の回復を目指していきます。